ワイヤーねじインサートの概要


特徴

ワイヤーねじインサートは、あらかじめ開けた下穴に挿入してねじ山を形成することで、幅広い製品で高い信頼性かつ長い寿命をもたらします。金属やプラスチック母材にはもちろん、アルミ・マグネシウム・チタンなどのより柔らかい材料にも適しています。
ワイヤーねじインサートは、軽量材料(アルミやマグネシウム)を使用することで、ねじ山の強度を維持しながら、製造に関わるコスト削減にも貢献します。
メートル並目と細目、ユニファイ並目と細目(UNC / UNF)、英国規格(BSW・BSC・BA・BSP)、アメリカ規格(NPT)など様々な規格に対応した製品があり、サイズも2mm~100mmと幅広くカバーしています。
ワイヤーねじインサートは主に、フリーランニング(自走式)とスクリューロッキング2つの方式があり、どちらもタングレスとタング付きタイプから使用用途に合わせて選択可能です。




用途

ワイヤーねじインサートは次の産業で使用されています。

  • 自動車
  • 造船
  • 発電
  • 航空宇宙
  • 電子

タングレスのワイヤーねじインサート


タングレスのワイヤーねじインサート(タングレスインサート)は、タング付きインサートの「タング」を失うリスクを最小限に抑えつつ、信頼性の高いねじ山を形成するよう設計されています。
タングレスインサートは、タングの折り取りの手間や、金属タングがエンジンや電子機器の中に落ちるリスクがなくなり、安全性を保つことができます。

特徴

  • アルミなどの柔らかい材料のねじ山補強
  • 取り付け後、タングを取り除いたり数えたりする作業が不要
  • 安全性が求められる用途でのタングを失うリスク回避

利点

  • インストール速度の向上
  • 取り付けの調整と取り外しの柔軟性
  • コスト削減:設置と点検の大幅な時間短縮
  • 双方向設計により、方向確認不要
  • 迅速で、非破壊的な取り外しによる母材とインサートの損傷防止
  • エンジンのエアインテークに異物が混入し、エンジンにダメージを与える事故(FOD)なし

タング付きの ワイヤーねじインサート


タング付きのワイヤーねじインサートを使用することで、ねじ山を強化し、アプリケーションの寿命を延ばすことができます。インサートはボルトと穴全体に負荷を分担し、荷重と応力をより均等に分散させることができるため、保持または引き抜き抵抗が改善されます。
ワイヤーねじインサートは通常、SUS304(18-8)鋼線をひし形の断面に圧延して作られていますが、インコネル・二モニック90・ニトロニック60・リン青銅・SUS316などのような材料の製品もあります。

特徴

  • アルミなどの柔らかい材料のねじ山補強
  • 様々な材料と、かじり(焼付き)防止・耐腐食塗装・コーティング可能
  • 注意点:取り付け後、タングの折り取りが必要

専用工具


ワイヤーねじインサートの専用工具はブランドによって違います。当社が扱っているトレードシリーズリコイルキットは、リコイル独自の雌ねじ補修キットであり、様々なサイズで入手可能です。リコイル以外のブランドの専用工具はお取り寄せ商品となります。是非お気軽にお問い合わせください。



トレードシリーズリコイルキット

  • 雌ねじのねじ山補修に必要な工具とリコイルワイヤーねじインサート入りのパッケージキットです。
  • 雌ねじを同じサイズ / ピッチのワイヤーねじインサートで再生し、さらに強度もアップします。
  • 入っているパーツは以下の通りです。
    • リコイルタップ#2
    • リコイルワイヤーねじインサート(長さ1.5D)
    • 挿入工具(M12・1/2以下はタップハンドル付き)
    • 下穴用ドリル(M12・1/2以下)
    • マグネット式折取工具

※ M12・1/2より大きいリコイルキットには、タップハンドル・下穴用ドリル・折取工具は付属していませんので、別途でご用意いただく必要があります。ご注意ください。